実家の売却は何から始める?売るタイミング・流れ・費用を解説

お盆に実家へ帰省して、久しぶりに家の中を歩いてみたら――。
空いたままの部屋、使われていない二階、庭の草。

「この家、いずれどうするんやろう」と、ふと考えた方は多いのではないでしょうか。

親はまだ元気。すぐに売るわけでもない。でも、いつかは決めなければいけない。
そんな「まだ決めていないけれど、そろそろ調べておきたい」という段階の方に向けて、実家の売却について整理しました。

この記事では、実家を売る前にまず確認すべきこと、売るタイミングの考え方、売却方法の選択肢、かかる費用と税金、そして査定を受ける流れまでをまとめています。

大阪市・北摂エリアで年間1,200件以上のご相談をいただいている立場から、実際によくあるご相談内容にもとづいて解説します。

目次

実家を売りたいと思ったら、まず何から始めればいい?

いきなり不動産会社を探す必要はありません。最初にやることは、もっと手前にあります。

最初に確認するのは「名義」と「相場」の2つ

意外と見落とされがちなのが、実家の名義が誰になっているかという点です。
「父が建てた家だから父の名義だろう」と思っていたら、実は亡くなった祖父の名義のままだった、というケースは珍しくありません。

不動産は、名義人本人でなければ売却できません。
名義が古いままだと、売却を決めてから登記の手続きに数ヶ月かかることもあります。
実家に帰ったタイミングで、権利証(登記識別情報)や固定資産税の納税通知書がどこにあるか、親に聞いておくだけでも十分な前進です。

もうひとつが相場です。「築40年だから価値はないだろう」と思い込んで放置していたら、実際には土地の値段だけで想定を大きく上回った、ということもあります。
逆に、思っていたより低いこともあります。
どちらにせよ、金額の目安がわからないままでは、売る・貸す・住むのどれを選ぶかも判断できません。

「売る」以外の選択肢も、いったん並べてみる

実家の使い道は、大きく分けて次の4つです。

  • 売る:管理の負担と固定資産税がなくなり、資金化できる
  • 貸す:収入は得られるが、修繕費や空室リスク、管理の手間が続く
  • 自分や家族が住む:思い出は残せるが、リフォーム費用がかかることが多い
  • そのまま所有し続ける:判断は先送りできるが、税金と管理負担は続く

それぞれにメリットと負担があります。
大事なのは、どれを選ぶにしても「今いくらの価値があるか」を知ってから比べることです。

まだ売ると決めていなくても、査定は受けられる

「査定を頼んだら、そのまま売らされるのでは」と心配される方がいますが、そんなことはありません。
査定はあくまで価格を知るための手続きで、その後に売却するかどうかは自由に判断できます。

当社にも「将来的に売るかもしれないので、今の価格だけ知っておきたい」というご相談は日常的に寄せられます。
実際、下調べの段階で一度査定を受けておくと、あとで家族と話し合うときの材料になります。

実家を売るタイミングはいつが良い?

実家の売却は、大きく3つのタイミングに分かれます。
それぞれ手続きの重さがまったく違うので、自分がどのパターンに当てはまるかを把握しておきましょう。

①親が元気なうちに売る

親自身が売主になれるため、手続きが最もシンプルです。
親が住み替えや施設入居を検討していて、本人の意思がはっきりしている段階なら、この方法がいちばん進めやすいといえます。

また、親が長く住んでいた家であれば、売却益が出た場合にマイホームの特例を使える可能性があります(要件あり/詳細は後述)。
子が相続してから売るより、税負担の面で有利になるケースもあります。

②施設入居や転居で空き家になったタイミングで売る

親が施設に入り、家が空いた段階です。
空き家の期間が長引くほど、傷みが進み、価格が下がりやすくなります。

また、マイホームの3,000万円特別控除には「住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」という期限があります。
空き家のまま数年が過ぎると、使えたはずの控除が使えなくなることもあるため、時間の経過には注意が必要です。

③相続してから売る

実際にはこのパターンが最も多いのですが、手続きは最も複雑になります。
相続人全員での話し合い(遺産分割協議)が必要になり、名義変更(相続登記)を済ませなければ売却できません。

なお、2024年4月1日から相続登記が義務化され、不動産の取得を知った日から3年以内の申請が必要になりました。
正当な理由なく怠った場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。
義務化以前に発生した相続も対象で、その場合の期限は2027年3月31日です。

3つのタイミングを比較すると

タイミング手続きの負担主な注意点
①親が元気なうち軽い親本人の意思確認と合意が前提
②空き家になった後やや重い特例の期限、建物の劣化、管理負担
③相続後重い遺産分割、相続登記、相続人間の調整

「いつ売るか」に唯一の正解はありません。
ただし、後になるほど関わる人が増え、手続きが増えるという傾向は共通しています。

親が元気なうちに実家を売るには、どんな手続きが必要?

下調べ段階の方にとって、ここが最も見落とされやすいポイントです。

売却できるのは名義人本人だけ

実家の名義が親であれば、売買契約を結ぶのも、書類に署名するのも親本人です。
子が代わりに進めることはできません。
委任状で手続きを代行する方法もありますが、その場合も親本人の意思確認が前提になります。

判断能力が低下すると、売却が進められなくなる

認知症などで親の判断能力が十分でないと判断された場合、原則としてそのままでは売買契約を結べません。
家庭裁判所を通じて成年後見人を選任するなどの手続きが必要になり、時間も費用もかかります。

「そのうち考えよう」と先送りしているうちに、この段階に入ってしまうケースは実際にあります。
近年は家族信託を活用する方法もありますが、専門的な判断が必要になるため、司法書士や弁護士へのご相談をおすすめします。

家族で話しておくとスムーズなこと

  • 実家をどうしたいか、親自身の希望
  • 兄弟姉妹がいる場合、それぞれの考え
  • 家財や仏壇、写真などをどうするか
  • 売却した場合、お金をどう扱うか

売却でこじれる原因の多くは、価格ではなく家族間の認識のズレです。
帰省のタイミングは、こうした話を切り出す数少ない機会でもあります。

実家を売るにはどんな方法がある?

「売る」と一口に言っても、進め方はひとつではありません。
当社では、ご事情に応じて4つの方法をご提案しています。

仲介売却|相場、あるいはそれ以上を目指したい場合

購入希望者を探して売却する、最も一般的な方法です。
時間はかかりますが、その分、市場価格での売却が期待できます。
急いでいないのであれば、まずはこの方法が基本になります。

不動産買取|早く現金化したい・近所に知られたくない場合

当社が直接買い取る方法です。
購入希望者を探す期間が不要で、物件の状態や権利関係に問題がなければ、最短1〜2週間程度での現金化を目指せます。仲介手数料もかかりません。

広告を出さずに進められるため、「実家を売ることを近所に知られたくない」というご希望にも対応できます。
ただし、市場で買主を探す方法に比べると、価格は抑えめになるのが一般的です。

買取保証|売れ残りが不安な場合

一定期間は仲介として高値での売却に挑戦し、期間内に売れなかった場合は、あらかじめ決めた価格で当社が買い取る方法です。
「高く売りたいけれど、いつまでも売れないのは困る」という方に向いています。

リースバック|親がそのまま住み続けたい場合

実家の売却でとくに悩ましいのが、「まとまった資金は必要だけれど、親を今の家から動かしたくない」というケースです。

リースバックは、ご自宅を当社に売却したうえで賃貸借契約を結び、そのまま同じ家に住み続けられる方法です。
引っ越しの必要がなく、生活環境も人間関係も変わりません。
売却後も外見上は今までどおりなので、周囲に売却を知られにくいという特徴もあります。

実際、「老後の資金に不安があるが、住み慣れた家は離れたくない」というご相談から、この方法を選ばれた70代のお客様もいらっしゃいます。

ただし、売却後は家賃が発生します。
売却価格の高さだけでなく、毎月の家賃を無理なく払い続けられるかという視点で判断することが欠かせません。
また、住み続けられる期間や、将来買い戻せるかどうかは契約条件によって変わります。
買い戻しをお考えの場合は、最初のご相談時にお伝えください。

実家の売却にはどんな費用と税金がかかる?

売却価格がそのまま手元に残るわけではありません。事前に把握しておきましょう。

売却時にかかる主な費用

  • 仲介手数料:仲介売却の場合に発生(買取の場合は不要)
  • 登記関連費用:抵当権抹消、相続登記など。相続登記の登録免許税は固定資産税評価額の0.4%
  • 印紙税:売買契約書に貼付
  • 家財の処分費用:長年住んだ実家では、まとまった金額になることがあります
  • 解体費用:更地にして売る場合

売却益が出た場合の税金と、使える可能性のある特例

不動産を売って利益(譲渡所得)が出ると、所得税・住民税がかかります。
ただし、実家の売却では次のような特例が使える場合があります。

①マイホームを売ったときの3,000万円特別控除

親が自分の住まいとして使っていた家を、親自身が売る場合などに適用される可能性があります。
所有期間の長短は問われません。

②相続した空き家を売ったときの3,000万円特別控除

相続で取得した実家を売る場合の特例です。1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された家屋であること、相続開始の直前に被相続人が一人で住んでいたこと、売却代金が1億円以下であることなど、要件が細かく定められています。適用期限は2027年12月31日までとされています。なお、2024年1月1日以後の譲渡では、相続人が3人以上の場合の控除額は2,000万円が上限となります。

これらの特例は要件が複雑で、ひとつでも満たさなければ適用されません。
本記事は2026年8月時点の情報にもとづく一般的な説明であり、個別の税額を保証するものではありません。
最新の要件は国税庁ホームページをご確認いただくか、所轄の税務署・税理士へご相談ください。
当社では、必要に応じて提携の専門家をご紹介しています。

大切なのは「手残り額」で考えること

売却価格が高くても、費用や税金を差し引いた後に残る金額が少なければ意味がありません。
査定の際は、価格だけでなく、費用を引いた後にいくら残るのかまで確認しておくことをおすすめします。

相続税や税金の詳細については、「相続した実家を売るときの注意点と税金」でも解説しています。

古い実家や空き家でも、そのまま売れる?

解体してから売るべきか、現状のまま売るべきか

「古い家が建っていると売れないのでは」と考え、先に解体を検討される方がいます。
しかし、解体前に一度査定を受けることを強くおすすめします。

理由は3つあります。まず、解体には数十万円から百万円を超える費用がかかること。
次に、建物を取り壊して更地にすると、土地の固定資産税の住宅用地特例が使えなくなり、翌年からの税負担が上がる可能性があること。
そして、建物付きのまま買いたいという購入希望者もいるためです。

築年数が古くても、立地や土地の広さによって評価は変わります。まずは現状のままご相談ください。

家財や荷物が残っていても相談できる

「片付けが終わってから」と考えているうちに、何年も経ってしまうケースはよくあります。
荷物が残っている状態でもご相談は可能です。処分が必要かどうかは、物件の状態や売却方法によって変わります。
片付けの進め方についても、これまでの経験からアドバイスできます。

空き家のまま放置した場合のリスク

空き家を放置すると、自治体から「特定空家」や「管理不全空家」に指定される場合があります。
指定を受けて勧告に至ると、土地の住宅用地特例が解除され、固定資産税の負担が大きく増える可能性があります。

加えて、建物の劣化、庭木の越境、防犯上の不安といった問題も積み重なっていきます。
大阪市内や北摂エリアでも、こうしたご相談は年々増えています。

実家の売却はどんな流れで、どれくらい期間がかかる?

問い合わせから引き渡しまでの流れ

  1. お問い合わせ:Webフォーム・LINE・お電話でご相談
  2. 現地調査:担当者が実際に物件を確認
  3. ヒアリング・訪問査定:根拠のある査定価格と売却プランをご提示
  4. 媒介契約:内容にご納得いただいたうえで契約
  5. 販売活動:ネットワークを活用して購入希望者へアプローチ
  6. 売買契約:条件がまとまり次第、買主様と契約
  7. 引き渡し:代金受領、所有権移転、鍵のお渡し

期間の目安は、方法によって大きく変わる

仲介売却の場合、売り出しから成約までは3ヶ月から半年程度がひとつの目安です。
ただし、物件の種類、価格設定、周辺の売出状況によって前後します。

一方、買取であれば、物件の状態や権利関係に問題がなければ最短1〜2週間程度での完了も可能です。
「親の施設費用が必要」「相続税の納付期限が迫っている」といった期限がある場合は、査定の段階でお伝えください。
ご事情に合わせた方法をご提案します。

実家の査定は、いつ・どこに依頼すればいい?

机上査定と訪問査定の違い

査定には2種類あります。机上査定は、立地や築年数などの情報から概算価格を算出する方法で、短時間で結果がわかります。まずは目安を知りたいという段階に向いています。

訪問査定は、実際に物件を見たうえで価格を出す方法です。
建物の状態、日当たり、周辺環境まで確認するため、より実態に近い価格がわかります。
当社では、どちらも無料で承っています。

「まだ売らない」段階でも問題ありません

査定を受けたからといって、売却を決める必要はありません。
むしろ、判断材料がない状態で家族と話し合っても、話は前に進みません。
まず価格を知り、それから考える。この順番のほうが結果的にスムーズです。

大阪市・北摂エリアで実家の売却を相談するなら

センチュリー21 ワールドスタイルは、大阪市北区を拠点に、大阪市内全域および北摂エリアの不動産売却を専門に扱っています。
年間のご相談件数は1,200件以上。相続した実家や空き家の売却についても、数多くのご相談をいただいてきました。

当社では、初回のご相談から査定、販売戦略の立案、契約、引き渡し後のフォローまで、経験豊富な担当者が一貫して対応します。担当者が途中で変わることはありません。

実家の売却は、家族の事情や気持ちが絡む繊細な話になることも多いため、同じ担当者が最後まで責任を持つ体制を大切にしています。

実家の売却に関するよくある質問

査定をお願いしたら、必ず売却しなければなりませんか?

いいえ、その必要はありません。査定価格を確認したうえで、売却するかどうかをご判断いただけます。「まずは価格を知りたい」という段階でのご相談も歓迎しております。強引な営業は一切行いません。

親が遠方に住んでいますが、相談できますか?

ご相談いただけます。まずはご家族からのお問い合わせで構いません。ただし、実際の売買契約には名義人ご本人の意思確認が必要になりますので、その点はあらかじめご承知おきください。

兄弟の意見がまとまっていませんが、相談しても大丈夫ですか?

問題ありません。むしろ、価格の目安がわからないまま話し合うほうが、結論が出にくくなります。査定結果という共通の材料があると、話が進みやすくなるケースが多くあります。

実家の売却を近所に知られたくないのですが、可能ですか?

広告の出し方や紹介先を調整することで、周囲に知られにくい形で進めることができます。当社が直接買い取る方法であれば、広告を出さずに進められます。ただし、購入希望者が限られるため、価格や期間とのバランスを見ながら判断します。

住宅ローンが残っていても売却できますか?

売却代金などでローンを完済できる見込みがあれば、売却は可能です。残債が売却価格を上回る場合は、別途確認が必要になります。まずは現在の残債額がわかる書類をご用意のうえ、ご相談ください。

まとめ|実家の売却は「決める前の情報収集」から始めていい

実家を売るかどうかは、すぐに決められるものではありません。ただ、判断を先送りするほど、選べる方法は少なくなっていきます。親の判断能力、建物の劣化、特例の期限――時間の経過とともに変わっていくものは少なくありません。

今日からできることは、名義を確認すること、家族に話を振ってみること、そして今の価格を知ることです。売ると決めていなくても、この3つは進められます。

センチュリー21 ワールドスタイルでは、机上査定から訪問査定まで無料で承っています。大阪市・北摂エリアで実家の売却をお考えの方は、お気軽にご相談ください。

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