「親から相続した実家、売ってしまうのはもったいない?」
「空き家のまま所有するより、誰かに貸して家賃収入を得た方がお得?」
「将来使うかもしれないけれど、今のうちに売却した方がいいのだろうか?」
大阪市や豊中市、吹田市、箕面市で空き家を所有している方の中には、このような悩みを抱えている方もいるでしょう。
特に、親が長年暮らしていた実家を相続した場合、簡単に売却を決断できないこともあります。
思い出のある家だから残しておきたい。将来、子どもが住むかもしれない。家賃収入が得られるなら、資産として持ち続けたい。
そう考える一方で、空き家を所有している間も固定資産税や管理費用などの負担は続きます。
また、築年数の古い住宅では、雨漏りや設備の故障、外壁の劣化などによって、想定外の修繕費が発生する可能性もあります。
空き家を貸せば家賃収入を得られる可能性がありますが、入居者が見つかるとは限りません。賃貸経営には修繕費や空室リスク、入居者対応なども伴います。
一方、売却すればまとまった資金を得られる可能性がありますが、売却後はその不動産を所有し続けることができません。
つまり、空き家を売るか貸すかは、家賃収入と売却価格だけを比較して決められるものではないのです。
重要なのは、現在の不動産価値、賃貸需要、維持費、建物の状態、将来の利用予定などを総合的に考えることです。
この記事では、大阪の実家を売却する場合と賃貸に出す場合、空き家のまま所有し続ける場合の違いを詳しく解説します。
家賃収入のシミュレーションや税金、相続した空き家の特例、築古住宅を貸す際の注意点なども取り上げます。
空き家は売る・貸す・所有し続けるのどれがよい?
空き家の活用方法を考える際には、主に3つの選択肢があります。
- 売却して現金化する
- 賃貸に出して家賃収入を得る
- 空き家のまま所有し続ける
それぞれにメリットとデメリットがあります。
まずは全体像を比較してみましょう。
| 比較項目 | 売却する | 賃貸に出す | 空き家のまま所有 |
|---|---|---|---|
| 収入 | 売却代金を得られる | 家賃収入を得られる可能性 | 原則として収入なし |
| 所有権 | 手放す | 維持する | 維持する |
| 固定資産税 | 売却後は原則として負担しない | 所有中は負担する | 所有中は負担する |
| 修繕費 | 売却条件による | 貸主負担が発生する場合あり | 所有者が負担 |
| 管理の手間 | 売却後は原則不要 | 賃貸管理が必要 | 空き家管理が必要 |
| 将来の利用 | 原則できない | 契約条件に左右される | 利用しやすい |
| 主なリスク | 売却価格・税金 | 空室・滞納・修繕 | 老朽化・維持費 |
このように、売却は資産を現金化できる一方、将来の利用可能性を手放すことになります。
賃貸は不動産を所有しながら収入を得られる可能性がありますが、経営上の負担も発生します。
空き家のまま所有する場合には、将来の選択肢を残せるものの、収入がない状態で維持費を負担することになります。
売却が向いているケース
次のような場合には、売却を検討する価値があります。
- 将来、実家に住む予定がない
- 相続人の間で売却方針が決まっている
- 建物の老朽化が進んでいる
- 空き家の管理が負担になっている
- まとまった資金が必要
- 賃貸に出すための修繕費が高額になる
- 相続空き家の税制上の特例を検討している
ただし、これらに該当する場合でも、必ず売却が最善とは限りません。
賃貸が向いているケース
一方、次のような場合には賃貸も選択肢になります。
- 周辺に戸建て賃貸の需要がある
- 建物が賃貸住宅として使用できる状態
- 必要な修繕費を負担できる
- 長期的に不動産を所有したい
- 空室期間中の費用を負担できる
- 入居者対応や建物管理を継続できる
重要なのは、家賃収入が得られるという理由だけで賃貸を選ばないことです。
所有し続けることが向いているケース
空き家のまま所有する方法が適している場合もあります。
例えば、数年以内に家族が住む予定がある場合です。
また、相続直後で家族間の話し合いが終わっていない場合には、すぐに売却や賃貸を決められないこともあるでしょう。
ただし、所有し続ける場合にも、管理費用や建物の老朽化を考慮する必要があります。
大阪の空き家を売却するメリット
空き家を売却する最大のメリットは、不動産を現金化できることです。
また、売却後は原則として所有者としての維持管理負担がなくなります。
まとまった売却代金を得られる
空き家を売却すれば、売却代金を得られる可能性があります。
例えば、相続した実家を2,500万円で売却した場合、仲介手数料や登記関係費用などを差し引いた金額を受け取ることになります。
ただし、売却価格がそのまま手元に残るわけではありません。
譲渡所得が生じた場合には税金がかかる可能性もあります。
そのため、売却を検討する際には、最終的な手取りを確認することが重要です。
固定資産税や管理費用の負担を減らせる
空き家を所有している間は、固定資産税や都市計画税などの負担が続きます。
また、建物の管理や修繕にも費用がかかる場合があります。
売却して所有権を移転すれば、その後の所有者としての負担は原則としてなくなります。
ただし、売買契約で固定資産税などを日割り精算することがあり、引渡し後の契約不適合責任などが問題になる場合もあります。
建物の老朽化リスクを減らせる
空き家は、誰も住んでいない間に建物の状態が悪化することがあります。
特に築年数の古い木造住宅では、雨漏りやシロアリ被害、設備の故障などが生じる可能性があります。
売却によって所有権を手放せば、将来の大規模修繕費を負担するリスクを減らせます。
ただし、売却前に把握している不具合は適切に説明することが重要です。
相続人間で資産を分けやすくなる場合がある
相続した実家を複数人で所有している場合、不動産をそのまま分けることは難しい場合があります。
一方、売却して現金化すれば、売却代金を相続人間で分配しやすくなることがあります。
ただし、売却には原則として共有者全員の同意が必要です。
また、分配方法は遺産分割協議や持分などによって異なります。
大阪の空き家を売却するデメリット
売却にはメリットがある一方、注意したい点もあります。
将来その家を利用できなくなる
売却後は、原則としてその不動産を自分や家族が利用することはできません。
例えば、将来子どもが住む可能性がある場合や、老後に実家へ戻ることを考えている場合には、慎重に判断する必要があります。
ただし、具体的な利用予定がないまま長期間所有し続けることにも費用がかかります。
希望価格で売れるとは限らない
空き家の売却価格は、立地や建物の状態、土地の条件などによって異なります。
特に築年数の古い住宅では、建物の価値よりも土地の条件が重視される場合があります。
また、前面道路が狭い住宅や再建築が難しい物件では、購入希望者が限定される可能性があります。
売却時に費用や税金が発生する場合がある
売却では、仲介手数料や印紙税、登記関係費用などが発生する場合があります。
また、譲渡所得が生じた場合には所得税や住民税などがかかる可能性があります。
そのため、売却価格だけでなく、必要な費用を差し引いた手取りを確認することが重要です。
空き家を貸して家賃収入を得るメリット
空き家を賃貸に出す場合、不動産を所有したまま家賃収入を得られる可能性があります。
ただし、安定した収入を得るためには、建物の状態や賃貸需要などを確認する必要があります。
毎月の家賃収入が期待できる
空き家を賃貸住宅として利用できれば、入居者から家賃を受け取れます。
例えば、月額8万円で貸し出せた場合、年間の家賃収入は96万円です。
ただし、これは12ヶ月間入居が続いた場合の金額です。
実際には、空室期間や修繕費、管理費用などが発生する可能性があります。
不動産を所有し続けられる
賃貸に出す場合、所有権は引き続き所有者にあります。
そのため、将来売却することも可能です。
ただし、入居者がいる状態で売却する場合には、賃貸借契約の内容や買主の購入目的などが影響します。
また、将来家族が住みたいと考えても、賃貸借契約が続いている場合には自由に利用できないことがあります。
建物を活用できる
空き家を賃貸に出すことで、住宅として利用してもらえる可能性があります。
長期間人が住んでいない住宅では、換気や清掃が不足し、建物の状態が悪化する場合があります。
ただし、入居者がいるからといって建物の劣化を防げるわけではありません。
貸主として必要な修繕や維持管理を続ける必要があります。
スタッフ植松「私は、空き家を貸すか売るか考えるとき、家賃収入だけを見て判断するのは避けたいと思っています。毎月家賃が入るのは魅力ですが、修繕費や空室期間も考える必要があります。大切なのは、収入ではなく最終的にどれくらいの利益が残るかという点です。」
空き家を貸す場合のデメリットとリスク
賃貸経営には、家賃収入というメリットがある一方、さまざまなリスクがあります。
特に、相続した築古住宅を貸す場合には、建物の状態に注意が必要です。
入居者が見つからない可能性がある
空き家を賃貸に出しても、必ず入居者が見つかるわけではありません。
賃貸需要は、最寄り駅までの距離や間取り、築年数、家賃設定などによって異なります。
また、周辺に競合する賃貸物件が多い場合には、入居者募集に時間がかかる可能性があります。
そのため、想定家賃だけでなく、空室期間も考慮する必要があります。
修繕費が発生する
賃貸住宅では、設備の故障や建物の不具合に対して、貸主が修繕義務を負う場合があります。
例えば、給湯器や給排水設備の故障、雨漏りなどです。
特に築年数の古い住宅では、設備の交換や建物の補修が必要になる可能性があります。
そのため、家賃収入の一部を修繕費として確保しておくことが重要です。
家賃滞納のリスクがある
入居者が家賃を滞納する可能性もあります。
家賃保証会社を利用する方法もありますが、保証範囲や契約条件は会社によって異なります。
そのため、賃貸借契約の内容や保証条件を確認する必要があります。
将来自由に使えない場合がある
賃貸に出した住宅を、将来自分や家族が使用したいと考えることもあるでしょう。
しかし、普通借家契約では、貸主の都合だけで簡単に契約を終了できるわけではありません。
契約更新を拒絶したり、解約を申し入れたりする場合には、法律上の要件が問題になります。
そのため、将来実家を利用する可能性がある場合には、賃貸借契約の種類や条件を慎重に考える必要があります。
空き家を貸すと年間いくら利益が残る?
空き家を貸す場合、家賃収入から必要な費用を差し引いて考えることが重要です。
例えば、大阪市内の一戸建てを月額8万円で貸し出すケースを考えてみましょう。
年間家賃収入の計算例
| 項目 | 年間金額 |
|---|---|
| 家賃収入(月8万円×12ヶ月) | 96万円 |
| 固定資産税・都市計画税(仮定) | 10万円 |
| 賃貸管理費(仮定) | 5万円 |
| 保険料(仮定) | 2万円 |
| 修繕費積立相当額(仮定) | 15万円 |
| 差引額 | 64万円 |
※説明のための仮定です。実際の家賃や費用を示すものではありません。所得税・住民税、入居者募集費用、大規模修繕費などは含めていません。
この例では、年間96万円の家賃収入に対して、差引額は64万円です。
ただし、12ヶ月間入居が続くことを前提としています。
空室が3ヶ月発生した場合
同じ物件で3ヶ月間の空室が発生した場合、家賃収入は72万円になります。
年間の費用が同じ32万円だとすると、差引額は40万円です。
| 項目 | 満室の場合 | 3ヶ月空室の場合 |
|---|---|---|
| 年間家賃収入 | 96万円 | 72万円 |
| 年間費用(仮定) | 32万円 | 32万円 |
| 差引額 | 64万円 | 40万円 |
空室期間が長くなると、家賃収入が減少します。
また、入居者の退去後には清掃や原状回復工事などが必要になる場合があります。
そのため、家賃収入を計算する際には、空室や修繕費も考慮することが重要です。
リフォーム費用の回収期間も考える
例えば、空き家を貸すために300万円のリフォーム費用が必要だとします。
年間の差引額が60万円であれば、単純計算では5年間で300万円に相当します。
ただし、この計算には空室や追加修繕、税金、将来の設備交換などが十分に反映されていません。
また、建物の状態によっては、リフォーム後も大規模修繕が必要になる場合があります。
そのため、初期費用を何年で回収できるかを考えることが重要です。
空き家を売る場合と貸す場合の収支を比較する
売却と賃貸を比較する際には、一定期間の収支を考える方法があります。
例えば、売却すれば2,000万円になると仮定した空き家について、賃貸に出す場合を考えてみましょう。
売却した場合
売却価格が2,000万円であれば、売却費用や税金などを差し引いた金額が手元に残ります。
売却後は原則として固定資産税や建物の管理費用を負担する必要がなくなります。
ただし、将来その不動産を利用したり、家賃収入を得たりすることはできません。
賃貸に出した場合
月額8万円で貸し出せた場合、年間の家賃収入は96万円です。
ただし、固定資産税や修繕費などが発生します。
また、賃貸開始前にリフォーム費用が必要になることもあります。
10年間の収支を考える
例えば、次のような条件を仮定します。
- 賃貸開始前のリフォーム費用:200万円
- 年間家賃収入:96万円
- 年間経費:30万円
- 10年間の家賃収入:960万円
- 10年間の経費:300万円
この場合、10年間の家賃収入から経費と初期費用を差し引くと、460万円です。
ただし、これは10年間空室がなく、追加の大規模修繕も発生しないという単純な計算です。
実際には、空室や家賃の変動、設備交換、税金などによって収支は変わります。
また、10年後も不動産を所有しているため、その時点の資産価値も比較に含める必要があります。
一方、売却した場合には、売却代金を別の用途に活用できる可能性があります。
売却と賃貸を比較する際には、家賃収入の合計だけでなく、初期費用、維持費、将来の不動産価値まで考えることが大切です。
大阪の実家を空き家のまま所有し続ける場合
売却も賃貸もせず、空き家のまま所有し続ける方法もあります。
ただし、誰も住んでいない住宅でも維持費は発生します。
また、建物の管理を怠ると、老朽化が進む可能性があります。
固定資産税や都市計画税がかかる
空き家を所有している間も、固定資産税や都市計画税が発生する場合があります。
税額は土地や建物の評価額、住宅用地の特例などによって異なります。
そのため、所有し続ける場合には、毎年の税負担を確認しておくことが重要です。
建物の管理が必要になる
空き家では、定期的な換気や清掃、庭木の手入れなどが必要です。
特に木造住宅では、雨漏りや湿気などによって建物の状態が悪化する可能性があります。
また、台風などによって屋根や外壁が破損する場合もあります。
そのため、遠方に住んでいる場合には、管理を依頼する費用が発生することもあります。
管理不全空家等・特定空家等に注意する
適切に管理されていない空き家は、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく対応の対象となる場合があります。
例えば、倒壊の危険性がある建物や、周辺環境に悪影響を及ぼす建物などです。
管理不全空家等や特定空家等として市区町村から所定の勧告を受けると、住宅用地に対する固定資産税などの軽減措置が適用されなくなる場合があります。
そのため、空き家を所有し続ける場合には、適切な管理が必要です。
空き家を5年・10年所有した場合の維持費
空き家を所有し続ける場合、毎年の維持費を確認しておくことが重要です。
例えば、次のような費用を仮定します。
| 費用項目 | 年間金額 |
|---|---|
| 固定資産税・都市計画税 | 12万円 |
| 保険料 | 3万円 |
| 管理・清掃費用 | 6万円 |
| 修繕費の積立相当額 | 9万円 |
| 合計 | 30万円 |
※説明のための仮定です。実際の費用は物件によって異なります。
年間30万円の維持費がかかる場合、5年間では150万円、10年間では300万円です。
ただし、大規模修繕が必要になった場合には、さらに費用が増える可能性があります。
また、建物の状態や市場環境によっては、将来の売却価格が変わることもあります。
そのため、所有し続ける場合には、維持費と将来の利用予定を比較することが重要です。
相続した実家を貸す前に確認したい税金の特例
相続した空き家を売却する場合、一定の要件を満たすと税制上の特例が適用される可能性があります。
特に注意したいのが、相続空き家の3,000万円特別控除です。
相続空き家の3,000万円特別控除とは?
相続した一定の空き家を売却した場合、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる制度があります。
主な要件には、次のようなものがあります。
- 原則として1981年5月31日以前に建築された家屋であること
- 原則として区分所有建物登記がされていないこと
- 被相続人の居住用だった家屋であること
- 相続開始から一定の期限内に売却すること
- 売却代金が1億円以下であること
- 耐震基準や解体などに関する要件を満たすこと
また、2024年1月1日以降の一定の譲渡では、相続人が3人以上の場合、控除額の上限が2,000万円となる場合があります。
この特例には細かな適用要件があるため、売却前に確認することが重要です。
一度賃貸に出すと特例が使えなくなる場合がある
特に重要なのは、相続した家を賃貸に出す場合です。
相続空き家の3,000万円特別控除では、原則として相続後から売却までの間、対象となる家屋や敷地を貸付けなどに利用していないことが要件となります。
そのため、相続した実家を一度賃貸に出すと、後から売却する際に特例を利用できなくなる可能性があります。
これは、空き家を売るか貸すか判断する際に、特に注意したいポイントです。
相続した空き家を賃貸に出す前には、将来の売却時に利用できる税制上の特例への影響を確認しておくことが重要です。
特例の期限にも注意する
相続空き家の特別控除には、売却期限などの要件があります。
そのため、長期間所有してから売却しようとすると、適用要件を満たさなくなる可能性があります。
また、税制は改正される場合があるため、売却する時点の制度を確認する必要があります。
築40年・築50年以上の実家は貸せる?
大阪市内や北摂には、昭和に建てられた一戸建てが残っています。
こうした住宅でも、建物の状態や賃貸需要によっては貸し出せる可能性があります。
ただし、築浅住宅と同じように賃貸に出せるとは限りません。
古い家でも賃貸需要がある場合
築年数の古い住宅でも、家賃が予算に合っていたり、立地が良かったりする場合には、入居を検討する方がいる可能性があります。
また、一戸建てならではの独立性や、庭、収納スペースなどを重視する方もいるでしょう。
ただし、賃貸需要はエリアや物件条件によって異なります。
貸す前に修繕が必要になる場合
築古住宅では、賃貸開始前に修繕が必要になることがあります。
特に確認したいのは、次のような部分です。
- 雨漏り
- シロアリ被害
- 給排水設備
- 電気設備
- 給湯器
- 浴室や台所
- 建具や床
- 外壁や屋根
これらの不具合がある場合、入居者の生活に支障が出る可能性があります。
そのため、貸し出す前に建物の状態を確認することが重要です。
旧耐震基準の住宅は注意が必要
1981年5月31日以前の旧耐震基準で建築確認を受けた住宅では、耐震性について確認が必要になる場合があります。
ただし、建築年だけで耐震性能を断定することはできません。
耐震補強が行われている住宅もあります。
必要に応じて耐震診断や専門家による確認を検討しましょう。
大阪市と北摂では賃貸需要が異なる
空き家を貸す場合、所在地によって賃貸需要が異なります。
そのため、大阪市内と北摂を同じ基準で考えることはできません。
大阪市北区・中央区・西区・福島区
都心部では、交通利便性や駅距離が住宅需要に影響する場合があります。
駅から近い住宅であれば、車を所有しない方が検討する可能性もあります。
ただし、都心部でも一戸建ての賃貸需要は物件条件によって異なります。
また、土地としての売却価値が高い場合には、賃貸収入と売却価格を比較することが重要です。
大阪市住吉区・東住吉区・平野区
住宅地では、間取りや周辺の生活環境などが賃貸需要に影響する場合があります。
一戸建てを希望する世帯が検討する可能性もありますが、築年数や設備の状態によって評価は異なります。
また、古い住宅では修繕費が大きくなる場合があるため、想定家賃と初期費用を比較する必要があります。
豊中市・吹田市
北摂エリアでは、駅距離や住宅地の環境などが購入・賃貸の判断材料になる場合があります。
一戸建ての賃貸を希望する方がいる可能性もありますが、地域や物件条件によって需要は異なります。
そのため、周辺の賃貸募集状況と売買価格の両方を確認することが重要です。
箕面市
箕面市では、所在地によって交通アクセスや住宅地の特徴が異なります。
土地が広い住宅や、駐車スペースのある一戸建てなどは、購入希望者や入居希望者の条件に合う場合があります。
ただし、駅距離や建物の状態などによって需要は変わります。
そのため、賃貸と売却のどちらが有利かは、個別の物件条件をもとに考える必要があります。
実家を貸す場合は賃貸借契約の種類にも注意
将来、実家を売却したり、自分や家族が住んだりする可能性がある場合には、賃貸借契約の種類が重要になります。
主な契約には、普通借家契約と定期借家契約があります。
普通借家契約
普通借家契約では、契約期間が満了しても、一定の条件のもとで契約が更新されます。
貸主が契約更新を拒絶する場合などには、法律上の要件が問題になります。
そのため、将来実家を利用したいと考えても、貸主の都合だけで自由に契約を終了できるとは限りません。
定期借家契約
定期借家契約は、法律上の要件を満たして締結することで、原則として期間満了により契約が終了する賃貸借契約です。
ただし、契約締結時の書面等による説明など、所定の手続きが必要です。
また、契約期間や建物の用途などによって注意点があります。
将来の利用予定がある場合には、契約内容を慎重に検討する必要があります。
入居者がいる状態でも売却できる?
賃貸中の住宅でも売却することは可能です。
ただし、入居者がいる状態で売却する場合、買主は賃貸借契約を引き継ぐことがあります。
このような物件は、一般にオーナーチェンジ物件と呼ばれます。
購入希望者は家賃収入や利回り、建物の状態などを重視する場合があります。
そのため、空き家として売却する場合とは、購入対象となる層や価格の考え方が異なることがあります。
スタッフ植松「私は、将来売る可能性がある実家を貸す場合、賃貸借契約の内容まで考えておくべきだと思っています。貸してから売却することはできますが、入居者がいることで買主の対象が変わる場合があります。今の家賃収入だけでなく、将来どのように不動産を手放すかも考えておきたいところです。」
相続人が複数いる実家は売却と賃貸のどちらがよい?
相続した実家が共有名義になっている場合、売却や賃貸について相続人間で意見が分かれることがあります。
例えば、次のようなケースです。
- 一人は売却したい
- 一人は家賃収入を得たい
- 一人は将来実家に住みたい
- 一人は管理費用を負担したくない
このような場合、単純に収益だけで判断することは難しいでしょう。
売却する場合
共有名義の不動産全体を売却するには、原則として共有者全員の同意が必要です。
そのため、売却価格や売却時期などについて、相続人間で合意を形成することが重要です。
賃貸に出す場合
共有不動産を賃貸に出す場合には、契約期間や内容などによって、必要な共有者の同意の範囲が異なります。
また、家賃収入の分配方法や修繕費の負担についても整理しておく必要があります。
特に、大規模修繕が必要になった場合、費用負担をめぐって意見が分かれる可能性があります。
所有し続ける場合
空き家のまま所有する場合でも、固定資産税や管理費用などが発生します。
そのため、誰が管理を担当し、費用をどのように負担するかを決めておくことが重要です。
住宅ローンが残っている実家を貸す場合
住宅ローンが残っている住宅を賃貸に出す場合には、借入先の金融機関との契約内容を確認する必要があります。
一般的な住宅ローンは、本人や家族が居住する住宅を対象としていることが多いためです。
無断で賃貸に出さない
住宅ローンが残っている家を、金融機関に確認せず賃貸に出すことは避けましょう。
契約条件によっては、賃貸利用が制限されている場合があります。
また、住宅ローンの条件変更や借換えなどが必要になる可能性があります。
売却する場合もローン残高を確認する
住宅ローンが残っている住宅を売却する場合には、原則として引渡しまでにローンを完済し、抵当権を抹消できる状態にする必要があります。
そのため、売却価格がローン残高を下回る場合には、自己資金などで不足分を補う必要が生じることがあります。
売却と賃貸を比較する際には、ローン残高や返済条件も確認しておきましょう。
空き家を貸すためにリフォームするべき?
築年数の古い実家を貸す場合、リフォームが必要になることがあります。
しかし、リフォーム費用をかければ必ず入居者が見つかるわけではありません。
また、工事費用を家賃収入で回収できるとも限りません。
賃貸開始前に必要な修繕
雨漏りや給排水設備の故障など、居住に支障がある不具合については、修繕が必要になる場合があります。
また、設備の安全性や衛生状態なども確認する必要があります。
高額なリフォームは費用回収を考える
例えば、300万円のリフォーム費用をかけた場合を考えます。
年間の家賃収入から経費を差し引いた金額が60万円であれば、単純計算では5年間で300万円に相当します。
ただし、空室や追加修繕、税金などを考慮すると、実際の回収期間は長くなる可能性があります。
そのため、リフォーム前に想定家賃と費用を比較することが重要です。
売却前のリフォームとは考え方が異なる
賃貸のためのリフォームは、入居者が安全かつ快適に生活できる状態にすることが目的です。
一方、売却前のリフォームは、売却価格や購入希望者の評価への影響を考える必要があります。
そのため、賃貸向けに高額なリフォームを行った後、売却に切り替えたとしても、工事費用を回収できるとは限りません。
空き家を貸さずに売った方がよい場合
空き家を貸すことが必ずしも有利とは限りません。
特に、建物の状態や将来の費用によっては、売却を優先した方が合理的な場合があります。
大規模修繕が必要な場合
屋根や外壁、給排水設備などに大きな不具合がある場合、賃貸開始前に高額な修繕費が必要になることがあります。
その費用を家賃収入で回収するまでに長い期間がかかる場合には、売却も比較する価値があります。
賃貸需要が少ない場合
周辺の賃貸需要が少ない場合には、入居者が見つかるまで時間がかかる可能性があります。
その間も固定資産税や管理費用などは発生します。
そのため、想定家賃だけでなく、空室期間も考慮する必要があります。
将来の利用予定がない場合
将来、自分や家族が住む予定がない場合には、所有し続ける目的を整理することが重要です。
家賃収入を得ることが目的であれば、収益性を確認する必要があります。
一方、十分な収益が見込めない場合には、売却によって資産を現金化する方法も考えられます。
空き家を売るか貸すか判断するためのチェック項目
売却と賃貸のどちらを選ぶか迷った場合には、次の項目を整理してみましょう。
| 確認項目 | 売却を検討したい状況 | 賃貸を検討したい状況 |
|---|---|---|
| 将来の利用予定 | 利用予定がない | 将来も所有したい |
| 建物の状態 | 大規模修繕が必要 | 比較的良好 |
| 初期費用 | 修繕費を抑えたい | 必要な工事費を負担できる |
| 賃貸需要 | 需要が不透明 | 一定の需要が見込める |
| 維持管理 | 負担を減らしたい | 継続できる |
| 資金計画 | まとまった資金が必要 | 長期的な収入を重視 |
| 税制上の特例 | 売却時の特例を利用できる可能性 | 賃貸による影響を確認済み |
この表は一般的な判断材料です。
実際には、物件の条件や所有者の事情によって適切な方法が異なります。
売却価格と想定家賃を両方確認する
売却と賃貸を比較するためには、まず現在の売却価格と想定家賃を確認することが重要です。
例えば、売却価格が3,000万円の住宅と1,000万円の住宅では、同じ月額8万円の家賃でも、収益性の考え方が異なります。
また、建物の状態によっては、賃貸開始前に修繕費が必要になる場合があります。
そのため、売却価格と家賃だけでなく、初期費用や維持費も確認する必要があります。
家族間で将来の利用予定を確認する
相続した実家では、家族によって考え方が異なる場合があります。
例えば、将来住みたいと考えている家族がいる場合には、売却や賃貸の判断に影響します。
また、共有名義の場合には、売却や賃貸の条件について合意が必要になる場合があります。
そのため、家族間で将来の利用予定や費用負担について話し合っておくことが重要です。
大阪の空き家を所有し続けるなら将来の売却価格も考える
空き家を所有し続ける場合、将来の売却価格が現在と同じになるとは限りません。
不動産価格は、立地や建物の状態、市場環境などによって変動します。
そのため、将来売却することを考えている場合には、現在の不動産価値も把握しておくことが重要です。
建物の老朽化が売却価格に影響する場合
築年数の古い住宅では、建物の状態が売却価格に影響することがあります。
特に、雨漏りやシロアリ被害などが進行した場合、購入希望者が修繕費を考慮して価格を判断する可能性があります。
また、建物としての利用が難しくなった場合には、古家付き土地として売却する方法を検討することもあります。
土地の価値は立地や条件によって異なる
建物が古くなっても、土地としての価値が評価される場合があります。
ただし、土地の価格は必ず上昇するわけではありません。
また、前面道路や接道条件、土地の形状などによって評価は異なります。
そのため、将来の売却価格を予測する際には、現在の市場相場だけでなく、物件固有の条件も確認する必要があります。
所有期間中の費用も比較する
例えば、年間30万円の維持費がかかる空き家を10年間所有した場合、単純計算で300万円の負担になります。
さらに、大規模修繕が必要になれば、費用が増える可能性があります。
そのため、将来高く売れることを期待して所有し続ける場合には、維持費も含めて考える必要があります。
実家を売るか貸すか決める前に確認したい3つの数字
空き家の活用方法を判断する際には、次の3つの数字を確認することが重要です。
1. 現在の売却価格
最初に確認したいのは、現在の不動産価値です。
売却すればどの程度の金額になるのかを把握することで、賃貸との比較がしやすくなります。
ただし、査定価格は必ずその金額で売却できることを保証するものではありません。
2. 賃貸に出した場合の年間利益
次に、想定家賃から必要な費用を差し引いた年間利益を考えます。
固定資産税や保険料、管理費、修繕費などを確認しましょう。
また、空室期間や設備交換なども考慮する必要があります。
3. 今後10年間の維持費と修繕費
最後に、今後10年間所有した場合の費用を考えます。
特に築年数の古い住宅では、屋根や外壁、給排水設備などの修繕が必要になる可能性があります。
そのため、毎年の維持費だけでなく、大規模修繕の可能性も考慮することが重要です。
スタッフ植松「私は、空き家を売るか貸すか迷ったとき、まず現在の売却価格を知ることが大切だと思っています。家賃収入だけでは、賃貸が本当に有利なのか判断できません。売却した場合の手取りと、10年間所有した場合の収支を比べることで、自分に合った選択が見えやすくなると考えています。」
空き家を賃貸に出す前に売却時の税金を確認する
相続した実家を賃貸に出す場合には、将来の売却時に税制上の特例が利用できるかどうかを確認することが重要です。
特に、相続空き家の3,000万円特別控除は、相続後の利用状況が適用要件に関係します。
そのため、賃貸に出してから売却を検討するのではなく、賃貸開始前に税制上の影響を確認しておくことが大切です。
また、賃貸に出すことで不動産所得が生じる場合には、所得税や住民税などの申告が必要になることがあります。
さらに、将来売却した際には、取得費や譲渡費用、所有期間などによって譲渡所得の計算が変わります。
そのため、売却と賃貸のどちらを選ぶ場合でも、税金を含めた収支を確認する必要があります。
大阪の空き家を売却する場合の手取りを確認する
空き家を売却する際には、売却価格から必要な費用を差し引いた手取りを確認することが重要です。
例えば、次のような条件で売却する場合を考えます。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 売却価格 | 2,500万円 |
| 仲介手数料(税込・上限額の例) | 89万1,000円 |
| 登記関係費用など(仮定) | 10万円 |
| 残置物撤去費用(仮定) | 20万円 |
| 概算手取り | 2,380万9,000円 |
※説明のための計算例です。譲渡所得税、住宅ローン返済、測量費用などは含めていません。
このように、売却価格がそのまま手元に残るわけではありません。
また、相続した空き家では、税制上の特例が適用されるかどうかによって、税負担が変わる可能性があります。
そのため、売却価格と賃貸収入を比較する際には、税金や費用を差し引いた金額を考えることが重要です。
売却も賃貸も決められない場合は所有期限を考える
空き家を売るか貸すか、すぐに決められない場合もあるでしょう。
特に、相続したばかりの実家では、家族の気持ちの整理に時間がかかることもあります。
その場合には、一定期間所有しながら判断する方法も考えられます。
ただし、期限を決めずに所有し続けると、維持費や管理負担が増える可能性があります。
例えば、半年後や1年後に売却と賃貸の条件を再確認するなど、判断する時期を決めておく方法があります。
その間に、建物の状態や修繕費、周辺の売却価格、賃貸需要などを確認するとよいでしょう。
また、相続空き家の特別控除など、売却期限が関係する制度については、期限を過ぎないよう注意する必要があります。
空き家を所有し続ける場合にも、いつまで所有するのか、どのような条件になれば売却するのかを整理しておくことが大切です。
