大阪市の長屋・連棟住宅は売却できる?切り離し・再建築で注意したいポイント

大阪市内には、隣の住宅と壁や構造の一部を共有している「長屋」や「連棟住宅」が数多く残っています。

相続した実家が長屋だった、親が住んでいた連棟住宅を売りたい、空き家になった古い家を処分したいという方の中には、「隣の家とつながっている状態でも売れるのだろうか」と不安に感じている方もいるでしょう。

さらに売却について調べると、「切り離し」「再建築不可」「接道義務」「共有壁」「連棟切り離し」といった言葉が出てくるため、普通の戸建てより売却が難しい印象を持つかもしれません。

結論からいうと、長屋・連棟住宅だからという理由だけで売却できないわけではありません。

建物がつながった状態のまま中古住宅として売却できるケースもありますし、建物の価値より土地の利用価値を重視して購入する人や事業者が現れることもあります。

ただし、一般的な独立戸建てと同じ感覚で「古いから解体して土地として売ろう」と判断するのは注意が必要です。

連棟住宅では一戸だけを切り離すことで残る建物へ構造上の影響が生じる可能性があり、隣家との調整も必要になります。

さらに、建物を解体した後に同じ敷地へ新しい住宅を建てられるかどうかは、接道状況などを含めた建築基準法上の条件によって変わります。

つまり長屋・連棟住宅を売却するときは、「今の建物が売れるか」だけではなく、買主が購入した後に建物をどのように利用できるのかまで確認しておくことが重要です。

この記事では、大阪市にある長屋・連棟住宅を売却したい方に向けて、売却方法、切り離し、再建築、接道、解体などで確認しておきたいポイントを詳しく解説します。

目次

そもそも長屋・連棟住宅とは?

長屋や連棟住宅は、複数の住戸が横方向につながって建てられている住宅です。

大阪市内の古い住宅地を歩くと、2戸、3戸、4戸と住宅が連続して建ち並んでいる光景を見ることがあります。

外から見ると一つの大きな建物のように見えても、それぞれに玄関があり、各世帯が独立して生活できるようになっています。

現代のマンションやアパートとの大きな違いは、一般的な長屋では各住戸から直接屋外へ出入りできることです。

ただし、「長屋」と一口にいっても権利関係や建物の状態は同じではありません。

土地も建物も一戸ずつ独立した所有権になっている場合もあれば、土地の一部が共有になっていたり、隣家との境界が明確でなかったりする場合もあります。

建築から長い年月が経過した住宅では、登記上の面積と現況が一致していないこともあります。

そのため売却を考える際には、「長屋だからこう売る」と決めるのではなく、まず自分が所有している土地と建物の状態を確認する必要があります。

長屋と連棟住宅は売却できる?

所有している土地と建物について売却できる状態であれば、建物が隣家とつながっていることだけを理由として売買そのものが禁止されるわけではありません。

そのため、大阪市内の古い長屋でも現状のまま売却できる可能性があります。

ただし、独立した戸建てと比べると、購入希望者が確認したい項目は増えやすくなります。

代表的なのが、建物を将来建て替えられるのか、単独で解体できるのか、隣家との境界はどこなのか、共有部分はあるのかという点です。

購入者が「数年間住んだ後に建て替えよう」と考えているのに、購入後に再建築が難しいことが分かれば、購入判断は大きく変わります。

反対に、再建築や改修について一定の見通しが立っていれば、築年数が古い長屋でも検討できる買主の範囲が広がる可能性があります。

長屋売却では建物の古さだけを見るのではなく、土地・道路・権利・建築条件を含めて商品性を考えることが重要です。

大阪市の長屋売却で最初に確認したい「土地」と「建物」の名義

長屋を売却する前に、まず登記事項証明書などで土地と建物の所有者を確認します。

「親から相続した家だから自分のものだと思っている」という状態と、「相続登記が完了して自分名義になっている」という状態は同じではありません。

さらに土地と建物の所有者が一致しているとも限りません。

建物は父親名義、土地は祖父名義のままというケースや、土地を兄弟姉妹で共有しているケースも考えられます。

土地の一部が隣家との共有になっている場合もあります。

このような状態では、売却価格を考える前に権利関係を整理する必要があります。

特に昔から親族が住み続けてきた長屋では、「昔からこう使っている」という現況と登記上の内容が必ず一致するとは限りません。

まず登記内容を確認し、誰が何を所有しているのかを把握することが売却準備の第一歩になります。

長屋を売るなら「再建築できるか」を確認する

長屋・連棟住宅の売却価格に大きく影響する可能性があるのが再建築です。

現在建っている住宅を利用できたとしても、将来建物を解体した後に新しい住宅を建てられないのであれば、購入希望者にとって利用方法が限定されます。

その結果、一般的な戸建てと比べて購入者が少なくなる可能性があります。

再建築できるかどうかを確認するときに重要になるのが、敷地と道路の関係です。

大阪市の案内では、建築基準法上、建物の敷地は原則として「建築基準法上の道路」に2m以上接していなければならないとされています。

ここで注意したいのは、家の前に道があるように見えるからといって、その道が必ず建築基準法上の道路とは限らないことです。

道路の幅が広く見えても建築基準法上の道路ではない場合がありますし、反対に幅員4m未満でも一定の条件によって建築基準法上の道路として扱われるものがあります。

長屋を売却するときには、地図や現地の見た目だけで判断せず、接している道が建築基準法上どのように扱われているのかを確認することが大切です。

スタッフ植松

「大阪市内の長屋を査定するとき、私は建物の築年数だけで『価値が低い』と判断しないことが重要だと考えています。古い建物でも土地として利用しやすければ評価される可能性がありますし、反対に建物がきれいでも再建築や接道に課題があれば購入者は慎重になります。まず土地・道路・建物を分けて確認することが大切です。」

前面道路が狭い長屋では「セットバック」が必要になることもある

大阪市の古い住宅地では、住宅の前にある道路が狭いケースがあります。

建築基準法が適用される以前から建物が立ち並んでいた幅員4m未満の道でも、一定の条件を満たして建築基準法上の道路として扱われる場合があります。

このような道路に接している土地では、建て替え時に道路中心線などを基準として敷地を後退させる、いわゆるセットバックが必要になることがあります。

セットバックが必要になれば、現在建物が建っている土地面積すべてを新しい建物の敷地として使えるとは限りません。

土地面積が小さい長屋では、わずかな後退でも建築できる建物の大きさに影響する可能性があります。

だからこそ、「土地が40㎡あるから40㎡全部を使って建て替えられる」と単純に考えないことが重要です。

再建築を前提に購入する人にとっては、道路条件と建築可能な建物の規模が重要な判断材料になります。

長屋の「切り離し」とは?

連棟住宅の売却でよく出てくるのが「切り離し」という言葉です。

たとえば3戸が横につながっている長屋の真ん中ではなく端の一戸だけを解体すると、それまで連続していた建物の一部がなくなります。

このように連棟している建物の一部を解体して独立させることを、一般に切り離しと呼ぶことがあります。

独立した戸建てなら、自分の建物だけを解体することは比較的イメージしやすいでしょう。

しかし連棟住宅の場合、壁や屋根、基礎などが隣家と関係していることがあります。

一戸を解体すると、それまで外部に露出していなかった隣家の壁が外壁になります。

雨水対策や防水、断熱、外壁補修などが必要になることも考えられます。

建物の構造によっては、解体によって残る建物の安全性に影響しないか確認する必要もあります。

そのため、「自分の家だから自由に壊してよい」と単純には考えない方が安全です。

切り離し前には隣家との調整が重要

長屋を一戸だけ解体する場合には、隣家との関係を無視できません。

解体工事では振動や騒音が発生しますし、工事内容によっては隣家側の壁や屋根の補修が必要になります。

また、境界付近で作業するため、工事業者が隣地へ立ち入る必要が生じる可能性もあります。

さらに「この壁はどちらの所有物なのか」「補修費用は誰が負担するのか」といった問題が出ることもあります。

こうした点を確認せず工事を進めれば、隣家とのトラブルにつながるおそれがあります。

売却前に切り離して更地にしたい場合は、解体業者だけで判断せず、建築士などの専門家を交えながら建物の構造と工事方法を確認し、必要に応じて隣家と協議しておくことが重要です。

真ん中の一戸だけを解体する場合はさらに慎重に考える

3戸以上が連続している長屋では、端の住戸と中間住戸で条件が異なります。

たとえば「A-B-C」と3戸が連続している場合、端にあるAを解体すれば、残るBとCは連続した状態を維持できます。

一方、真ん中のBを取り除けば、AとCがそれぞれ独立する形になります。

構造や壁の状態によっては工事が複雑になり、残る建物への補強や外壁工事などが必要になる可能性があります。

したがって「長屋一戸分の解体費だけ」を見積もって売却計画を立てるのは危険です。

切り離した後に隣家側でどのような工事が必要になるのかまで含めて確認する必要があります。

解体すれば必ず土地として高く売れるわけではない

古い長屋を見ると、「建物が古いから解体して更地にした方が売りやすい」と考えたくなるかもしれません。

しかし長屋では、解体前に再建築条件を確認することが非常に重要です。

現在は住宅として利用できていても、解体した後に同じような建物を建てられるとは限りません。

もし再建築に制約がある土地だった場合、建物を残した状態なら中古住宅として検討する人がいたのに、解体したことで利用方法が限定される可能性もあります。

さらに切り離し工事、隣家の外壁補修、測量、残置物処分などの費用がかかれば、更地にしたことで売却価格が上がったとしても、最終的な手取りが増えるとは限りません。

長屋売却では、「建物が古い=先に解体」という順番ではなく、まず現状で査定し、その後に解体した場合の価格と費用を比較する方が合理的です。

現状売却と解体後売却は「手取り」で比較する

たとえば長屋を現状のまま1,500万円で売却できるとします。

一方、切り離しと解体を行い、土地として1,850万円で売れる可能性があるとしましょう。

価格だけを見ると、解体した方が350万円高く売れます。

しかし、解体・切り離し・隣家側の補修・測量などに合計400万円必要になったとすれば、

1,850万円-400万円=1,450万円

です。

単純化すれば、1,500万円で現状売却した方が売主の手元に残る金額は多くなります。

反対に、工事費が150万円で済み、更地にすることで500万円程度高く売れるのであれば、解体を検討する意味が出てきます。

比較するべきなのは売却価格ではありません。

売却価格から売却のために必要な費用を差し引いた金額です。

スタッフ植松

「古い長屋の相談では、私は査定前に解体しないことをおすすめしたいです。長屋は普通の戸建てと違い、切り離し後の隣家補修や再建築条件まで確認する必要があります。300万円高く売れても工事に400万円かかれば手取りは減ります。まず『現状ならいくら』『解体するといくら』『工事はいくら』の三つを比較してから判断する方が安全です。」

再建築が難しい長屋は売れない?

再建築に制約があるからといって、直ちに売却できなくなるわけではありません。

現在の建物を利用することを前提として購入を検討する人もいます。

立地や価格によっては、自宅、賃貸住宅、事業用途などとして検討される可能性もあります。ただし、実際にどの用途で利用できるかについては建築・都市計画上の条件などを個別に確認する必要があります。

一方、一般的な住宅ローンでは物件の担保評価や建築条件なども審査に関係するため、再建築に課題がある物件では購入者側の資金調達が難しくなる可能性があります。

住宅ローンを利用できる購入者が限定されれば、通常の戸建てより買主候補が少なくなることがあります。

その場合、現金購入できる個人や不動産事業者などが購入候補になるケースもあります。

「再建築が難しい=価値ゼロ」と考えるのではなく、その条件を理解したうえで購入できる層へ販売することが重要です。

大阪市には長屋などの建替えを想定した制度もある

大阪市には、既設の通路に沿って長屋などが建ち並ぶ区域で、一定のルールに基づいて協調的に建て替えを進める場合に利用できる「協調建替型住宅設計制度」があります。

大阪市の説明では、この制度によって区域全体を一つの敷地とみなし、接道規定などを適用することで個別の建替えを可能にする仕組みが設けられています。

もちろん、大阪市の長屋ならどこでも利用できるわけではありません。

適用には条件や設計基準があります。

そのため、「前の道路が狭いから絶対に建て替えられない」と自己判断するのも、「制度を使えば必ず建て替えられる」と考えるのも適切ではありません。

売却予定の長屋がどのような道路に接し、どの制度や許認可の可能性があるのかを個別に確認する必要があります。

こうした確認によって再建築の可能性が明確になれば、買主へ説明できる情報が増え、売却条件を考えやすくなります。

境界が分からない長屋では測量が必要になることもある

築年数の古い長屋では、隣地との境界標が見つからないことがあります。

長年同じ家族が住み続けていると、売買の機会が少なく、昔の測量図しか残っていない場合もあります。

ただし、境界標が見つからないからといって、査定前に必ず確定測量をしなければならないわけではありません。

まず登記事項証明書、公図、地積測量図などの資料を確認し、現地と照らし合わせます。

そのうえで売却条件や買主の希望によって測量が必要になる場合には、土地家屋調査士などへ相談します。

特に解体後に土地として売却する場合や、土地面積が売却価格へ大きく影響する場合には、境界の確認が重要になることがあります。

増築部分や未登記部分にも注意する

古い長屋では、購入後や相続前に増築されているケースがあります。

玄関部分を広げていたり、裏側に部屋を増築していたりすることもあります。

現況の建物と登記記録が一致していない場合には、売却時に確認が必要になることがあります。

また、増築部分が現在の建築関係法令上どのように扱われるのかについても、専門家への確認が必要になる場合があります。

「何十年もこの状態だから問題ない」と考えるのではなく、売却前に現況と資料の違いを整理しておきましょう。

買主が住宅ローンを利用する場合には、金融機関から建物資料の提出を求められることもあります。

売買契約直前になって問題が分かるより、査定段階で把握しておく方が売却方法を検討しやすくなります。

隣家との共有壁や越境も確認しておく

長屋では建物が密接しているため、一般的な戸建て以上に隣家との関係が重要です。

屋根、雨樋、配管、庇などが境界を越えている場合や、建物の一部が隣地側へ出ている可能性もあります。

また、長年の利用によって、どこまでが自分の建物なのか分かりにくくなっていることもあります。

売却前にこうした問題を把握していれば、買主へ状況を説明し、必要な対応を検討できます。

一方、売買契約後に初めて越境などが判明すると、取引条件の変更や引渡し時期への影響につながる可能性があります。

古い長屋では「見た目では普通に使えているから大丈夫」と判断せず、現地と登記資料の両方を確認することが大切です。

相続した長屋では名義と残置物を早めに確認する

大阪市内の長屋売却では、相続をきっかけとする相談も考えられます。

親が亡くなった後、誰も住まなくなった長屋をそのままにしているケースです。

この場合、まず確認したいのが所有者です。

相続人が複数いる場合には、誰が不動産を取得するのかを整理しなければなりません。

相続登記が終わっていない場合には、売却手続きとの関係を司法書士などへ確認しておきましょう。

また、室内に家具や家電、衣類などが大量に残っていることもあります。

「全部処分しないと査定できない」と思う必要はありません。

残置物がある状態でも査定自体は可能なことがあります。

先に高額な処分費を支払うのではなく、現状売却できるのか、どの程度片付ければ販売しやすくなるのかを確認してから処分方法を決める方が無駄な支出を避けやすくなります。

長屋をリフォームしてから売った方が高くなる?

築年数の古い長屋では、室内をきれいにリフォームすれば売却しやすくなるように思えます。

確かに、室内状態が良くなれば中古住宅として購入したい人にとって魅力が高まる可能性があります。

しかし、売却前に数百万円をかけてリフォームすることが必ず有利とは限りません。

購入者が建て替えを考えているなら、内装を新しくしても価格評価につながりにくいでしょう。

購入後に自分好みにリノベーションしたい人なら、古い状態のまま安く購入したいと考えるかもしれません。

特に長屋の場合、内装より接道や再建築、構造、切り離し条件などが購入判断に大きく影響することがあります。

まず現況で査定し、リフォームによってどの程度価格が変わる可能性があるのかを確認してから工事を検討しましょう。

長屋を「土地価格だけ」で査定しない

建物がかなり古いと、「建物価値はゼロだから土地値だけ」と考えることがあります。

しかし、長屋では土地だけを単純に評価できない場合があります。

独立した土地として自由に再建築できるなら土地価格を中心に考えやすい一方、接道や切り離しに課題があれば、同じ面積の一般的な土地とは条件が違います。

反対に、建物が古くても現在の住宅として利用でき、立地や価格に魅力があれば、中古住宅として需要がある可能性があります。

たとえば同じ30㎡の土地でも、「建物を解体すれば独立した住宅を再建築できる土地」と「現在の長屋を利用することが前提になりやすい土地」では、購入者の考え方が変わります。

査定では土地面積だけを見るのではなく、現在の建物を残した場合と将来建て替える場合の両方から価値を考えることが重要です。

買取という売却方法も比較する

長屋を売る方法は、一般の購入者を探す仲介だけではありません。

物件の条件によっては、不動産会社などによる買取を検討する方法もあります。

買取では、再建築や改修、賃貸利用などについて事業者側が判断したうえで購入するため、一般の個人では検討しにくい物件でも売却できる可能性があります。

一方、買取価格は一般的な仲介による成約価格より低くなることがあります。

そのため、「長屋だから買取しかない」と最初から決める必要はありません。

現状のまま仲介で売った場合の想定価格、売却期間、必要な工事費と、買取価格を比較します。

たとえば仲介なら1,800万円で売れる可能性があるものの、切り離しや補修に250万円かかり、売却まで半年程度必要になるとします。

一方、現状のまま1,500万円で買い取る事業者がいるなら、単純な価格差だけでどちらが有利かを決めることはできません。

費用、期間、売却条件まで含めて比較することが重要です。

長屋の売却価格を決めるときは周辺の戸建て相場だけを見ない

長屋の価格を調べる際、近所の戸建てが3,000万円で売られているから自分の長屋も同程度だろう、と考えるのは注意が必要です。

一般的な戸建てと長屋では、土地条件や建物条件が異なる可能性があります。

周辺の土地価格を参考にしながらも、接道、間口、土地面積、再建築条件、建物状態、切り離しの必要性などを個別に確認します。

また、不動産ポータルサイトに掲載されている価格は売出価格であり、実際に成約した価格とは限りません。

近隣の戸建てが3,000万円で販売中だからといって、3,000万円で売れた実績があるとは限らないのです。

査定では現在の競合物件だけでなく、可能な範囲で過去の成約事例も確認することが重要です。

長屋がなかなか売れないときにすぐ値下げしない

販売を始めても買主が見つからない場合、「やはり長屋だから売れないのだろう」と価格を下げたくなるかもしれません。

しかし、問い合わせがない原因が必ず価格とは限りません。

広告上で再建築について説明が不足している、土地面積や道路条件が分かりにくい、建物内部の写真が少ないなど、購入判断に必要な情報が不足している可能性があります。

逆に問い合わせや内覧は多いのに申込みが入らない場合には、価格と物件条件のバランスが原因かもしれません。

長屋の販売では、一般的な戸建て以上に「何ができる物件なのか」を購入希望者へ伝えることが重要です。

値下げする前に、購入希望者がどの段階で検討をやめているのかを確認しましょう。

売却前に切り離し工事をするかは慎重に判断する

「切り離せば普通の土地として売れる」と考えて工事を先行するのは避けたいところです。

切り離し後の土地がどのように利用できるのか確認できていなければ、費用だけを負担する結果になる可能性があります。

まず現在の状態で査定します。

次に、再建築条件と道路状況を確認します。

そのうえで切り離し・解体費用、隣家側の補修費用、必要に応じた測量費などを見積もります。

最後に、現状売却と解体後売却の手取りを比較します。

この順番で進めれば、「300万円かけて解体したのに売却価格は100万円しか上がらなかった」というような判断ミスを防ぎやすくなります。

スタッフ植松

「長屋売却で私が大切だと思うのは、『普通の戸建てに近づけてから売ろう』と考えすぎないことです。長屋には長屋なりの買主がいます。費用をかけて切り離しやリフォームをする前に、今の状態なら誰が購入候補になるのかを確認し、そのまま売る場合と工事後に売る場合の手取りを比べる方が合理的です。」

長屋を売却したときの税金も確認する

長屋であっても、不動産を売却して譲渡所得が生じれば、所得税・住民税などがかかる可能性があります。

譲渡所得は単純に「売却価格-購入価格」だけで計算するものではありません。

基本的には売却による収入金額から取得費と譲渡費用を差し引いて計算します。

取得費には購入代金などが関係しますが、建物については所有期間中の減価償却相当額を考慮する必要があります。

古くから所有している長屋では購入時の売買契約書などが見つからず、取得費が分からないこともあります。

その場合には税務上のルールに基づいて取得費を計算する必要があるため、売却前に購入時や相続時の資料を探しておきましょう。

自宅として使っていた長屋なら3,000万円特別控除の可能性もある

自分が住んでいた長屋を売却する場合には、一定の要件を満たすことで、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除を利用できる可能性があります。

この制度は、一定の要件を満たせば所有期間の長短にかかわらず、譲渡所得から最高3,000万円を控除できるものです。

以前住んでいた住宅でも、住まなくなってから一定期間内の売却であれば対象になる可能性があります。

ただし、売却前に建物を解体して土地だけを売る場合には特に注意が必要です。

一定の要件を満たせば取り壊し後の敷地についても特例を利用できる場合がありますが、取り壊した日から売買契約までの期間や、その間の土地利用などについて条件があります。

「古い長屋だから先に解体しよう」と判断するときには、建築面だけでなく税務面への影響も確認してから進めることが大切です。

大阪市の長屋売却は「建物・土地・道路・隣家」の4つを確認する

大阪市で長屋や連棟住宅を売却するとき、一般的な戸建てとの大きな違いは、確認事項が建物だけでは終わらないことです。

まず建物について、築年数、構造、増築、隣家との接続状態を確認します。

次に土地について、所有者、面積、境界、共有部分などを確認します。

さらに道路について、建築基準法上の道路なのか、接道条件を満たしているのか、建て替え時にセットバックなどが必要になるのかを確認します。

そして隣家との関係です。

切り離し工事をするなら隣家側の壁や屋根への影響を確認し、境界や越境があれば整理します。

この四つを確認して初めて、「現状のまま売る」「改修して売る」「切り離して売る」「解体して土地として売る」「買取を検討する」といった方法を比較しやすくなります。

大阪市の長屋・連棟住宅は「先に壊す」のではなく「先に調べる」

長屋や連棟住宅を売却するとき、「古い家だから価値がない」「隣とつながっているから売れない」と最初から諦める必要はありません。

現在の建物を利用したい購入者が見つかる可能性もありますし、土地としての利用価値を評価する購入者や不動産事業者が現れる可能性もあります。

一方で、一般的な戸建てと同じ感覚で先に解体することには注意が必要です。

長屋の一部を解体するなら切り離し工事が必要になる可能性があります。

残る隣家の外壁や屋根を補修しなければならない場合もあります。

さらに建物を解体した後、接道条件などによって新しい建物の建築に制約が生じる可能性もあります。

だからこそ、最初に行うべきなのは解体ではなく調査です。

土地と建物の登記を確認し、道路状況を調べ、再建築の可能性を確認します。

そのうえで現状の査定価格を把握します。

切り離しや解体を検討するのであれば、工事費用と工事後の想定売却価格を確認し、現状売却した場合の手取りと比較します。

たとえば現状なら1,400万円、切り離し・解体後なら1,850万円で売れるとします。

価格差は450万円です。

しかし工事費、隣家補修費、測量費などで合計350万円必要なら、実質的な差は100万円程度です。

さらに工事期間や売却期間が長くなれば、その間の固定資産税や管理費用なども考える必要があります。

逆に、工事費を含めても解体後の方が大きく手取りを増やせるのであれば、切り離しや解体を検討する意味があります。

つまり、判断基準は「更地の方が見栄えがいいか」ではありません。

どの状態で売却したときに、費用・期間・リスクを含めて売主にとって条件が良いのかです。

また、再建築についても自己判断しないことが重要です。

家の前に道があるから建て替えられるとは限りません。

大阪市では、建物の敷地は原則として建築基準法上の道路に2m以上接する必要があります。

一方で、既設通路沿いに長屋などが建ち並ぶ区域については、一定の条件のもとで協調的な建て替えを可能にする制度もあります。

そのため「この長屋は再建築不可だ」と広告や昔の話だけで判断するのではなく、現在の道路・敷地・制度を確認することが大切です。

売却予定が半年後や一年後であっても、調査は早めに始められます。

特に相続した長屋では、登記資料や昔の売買契約書、建築関係書類などを探すだけでも時間がかかることがあります。

隣家との境界や切り離しについて話し合いが必要になれば、さらに時間が必要です。

売却直前になって慌てて確認するより、「将来的に売るかもしれない」という段階で現状を把握しておく方が選択肢を残しやすくなります。

大阪市の長屋・連棟住宅は、普通の戸建てより確認する項目が多い不動産です。

しかし、確認事項が多いことと、売れないことは同じではありません。

建物を残した方がよいのか、切り離した方がよいのか、土地として売った方がよいのか、現状のまま購入できる相手を探した方がよいのか。

答えは物件ごとに異なります。

だからこそ、売却を考え始めた段階では大きな費用をかけず、まず現在の状態と価格を把握することが重要です。

「古い長屋だから、とりあえず解体する」のではなく、「今の状態ならいくらで売れるのか」「解体するといくらになるのか」「そのためにいくら必要なのか」を数字で比較する。

この順番で考えることが、大阪市の長屋・連棟住宅を納得できる条件で売却するための重要なポイントです。

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この記事を書いた不動産のプロを紹介

大阪市北区を中心とした不動産売却・買取に特化した、業界歴の長いベテラン精鋭チームです。年間1,100件以上のご相談実績と、独自の富裕層・投資家ネットワークを活かし、お客様の大切な資産の「高値売却」と「スピード現金化」を実現しています。
このコラムでは、現場で培ったリアルな相場動向や、不動産会社だからこそ知っている「損をしない売却のコツ」「リースバックの裏側」など、お役立ち情報を分かりやすく発信していきます。

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