家を売る前にリフォームは必要?「そのまま売る」と「直して売る」はどちらがお得?

「築年数が古いから、リフォームしないと売れないのでは?」

「水回りが古いまま売りに出して大丈夫?」

「300万円かけてリフォームすれば、その分高く売れる?」

家を売却しようとしたとき、このように悩む方は少なくありません。

特に長年住んだ戸建てやマンションでは、クロスの汚れ、フローリングの傷、水回り設備の古さなどが気になり、

「このまま見せるのは印象が悪そう」

と感じることもあるでしょう。

結論からいうと、家を売る前に必ずリフォームする必要はありません。

むしろ、売却前に数百万円規模のリフォームを行った結果、リフォーム費用を売却価格に上乗せできず、最終的な手取り額が減ってしまうケースもあります。

一方で、数万円~数十万円程度の修繕やクリーニングによって物件の印象が良くなり、結果として売却しやすくなるケースもあります。

つまり大切なのは、

「リフォームするか、しないか」

という二択ではありません。

どこまで手を入れると費用対効果が高いのかを見極めることです。

この記事では、大阪市や豊中市・吹田市・箕面市などでマンション・戸建ての売却を考えている方に向けて、「そのまま売る場合」と「リフォームして売る場合」の違い、それぞれのメリット・デメリット、リフォームした方がよいケース、逆にしない方がよいケースまで詳しく解説します。

目次

家を売る前にリフォームは本当に必要?

まず知っておきたいのは、

中古住宅を買う人全員が、リフォーム済みの物件を求めているわけではない

ということです。

購入後すぐに住めるきれいな住宅を探している人もいれば、

「安く購入して自分好みにリノベーションしたい」

という人もいます。

例えば中古マンションを探している購入者のなかには、

「キッチンは自分で選びたい」

「間取りを変更したい」

「床やクロスも好きなデザインにしたい」

と考えている人もいます。

そのような購入者にとって、売主が先に行ったリフォームが必ずしもプラスになるとは限りません。

売主と買主では「好み」が違う

リフォームで難しいのが、売主と買主の好みが一致するとは限らない点です。

例えば売主が200万円かけて、

・システムキッチン交換
・ユニットバス交換
・クロス全面張り替え
・フローリング交換

を行ったとします。

売主からすると、

「これだけきれいにしたのだから200万円以上高く売れるだろう」

と思うかもしれません。

しかし買主が、

「このキッチンの色は好みではない」

「浴室を別の商品にしたかった」

「床は無垢材にしたかった」

と考えれば、売主が負担した200万円のリフォーム費用をそのまま評価してくれるとは限りません。

住宅は金額が大きいため、設備や内装の好みにも個人差があります。

そのため売却前リフォームでは、

「きれいにすれば必ず高く売れる」わけではない

という点を理解しておく必要があります。

スタッフ植松

売却前リフォームで一番避けたいのは、「お金をかけたのだから高く売れるはず」と考えてしまうことです。リフォーム費用と売却価格の上昇額は、必ずしも同じではありません。

「そのまま売る」と「リフォームして売る」を比較

まず、それぞれの特徴を整理してみましょう。

項目そのまま売るリフォームして売る
売却前の費用少ない高くなりやすい
売却開始まで早い工事期間が必要
買主の自由度高い低くなる場合がある
内覧時の印象状態による良くなりやすい
売却価格状態次第高くなる可能性がある
費用回収リスクが少ない回収できない可能性がある
向いている物件築古・リノベ需要がある物件軽微な改修で印象が改善する物件

どちらが正解かは、物件によって異なります。

重要なのは、売却価格だけではなく、

売却価格-リフォーム費用=実質的な手取り

で考えることです。

家をそのまま売却する5つのメリット

まずは、リフォームをせず現状のまま売る場合のメリットを見てみましょう。

リフォーム費用を先に負担しなくていい

最大のメリットは、売却できる前に大きな費用を負担する必要がないことです。

例えば、

キッチン交換
浴室交換
洗面台交換
トイレ交換
クロス張り替え
フローリング工事

まで行えば、工事内容によっては数百万円規模になることがあります。

しかし家がいつ売れるかは、リフォーム開始時点ではわかりません。

先に数百万円を支払い、その後数か月間売れなければ、資金面でも心理面でも負担になります。

現状のまま販売すれば、そのリスクを抑えられます。

すぐに売却活動を始められる

リフォームする場合、工事業者の選定、見積もり、商品選び、施工などに時間がかかります。

その間は本格的な販売を開始できないケースもあります。

転勤、相続、住み替えなどで早めに売却したい場合には、この時間が大きなデメリットになります。

現状売却なら、査定や必要書類の準備ができれば比較的早く販売活動を始められます。

買主が自由にリフォームできる

中古住宅を探している人のなかには、リノベーションを前提として物件を探している人もいます。

そのような人にとっては、

「きれいにリフォーム済みの家」

よりも、

「価格を抑えて、自分好みに変えられる家」

の方が魅力的なことがあります。

特にマンションでは、

・対面キッチンにしたい
・LDKを広げたい
・和室をなくしたい
・収納を増やしたい
・内装をホテルライクにしたい

など、購入者自身が希望する間取りやデザインがあります。

売主が先にリフォームしないことで、買主の選択肢を残せるわけです。

リフォーム費用を回収できないリスクがない

例えば300万円かけてリフォームした結果、

リフォーム前の査定:3,000万円
リフォーム後の成約:3,150万円

だったとします。

一見すると150万円高く売れています。

しかし300万円かけているため、

3,150万円-300万円=2,850万円

です。

結果として、リフォームせず3,000万円で売却した方が手取りが多かった可能性があります。

売却価格が上がったかどうかではなく、

リフォーム費を差し引いた結果、いくら残ったか

を見ることが重要です。

築古物件では建物より立地が重視されることがある

築年数の古い戸建ての場合、購入者が建物をそのまま使うとは限りません。

購入後に、

・全面リフォーム
・フルリノベーション
・建て替え

を予定しているケースがあります。

このような物件に売主が中途半端なリフォームを行っても、価格上昇につながらない可能性があります。

土地の価値が中心となっている戸建てでは、特に慎重に判断する必要があります。

家をそのまま売るデメリット

もちろん、現状のまま販売することにもデメリットがあります。

内覧時の第一印象が悪くなることがある

中古住宅では内覧時の第一印象が重要です。

例えば玄関を開けた瞬間に、

・強い生活臭がする
・壁紙が大きく剥がれている
・室内が極端に暗い
・カビが目立つ
・水回りがひどく汚れている

といった状態では、購入希望者が物件そのものに良い印象を持ちにくくなります。

購入者は頭では、

「リフォームすればきれいになる」

と理解していても、内覧時の印象によって購入意欲が下がることがあります。

修繕費を大きく見積もられることがある

古い設備を見た購入者が、

「全部交換しなければならない」

と判断すると、実際に必要な費用以上にリフォーム費を高く見積もることがあります。

例えば実際には100万円程度の工事で済むとしても、購入者が「300万円くらい必要そう」と感じれば、その分を価格交渉される可能性があります。

このような場合には、一部を修繕しておいた方が売却しやすくなることがあります。

売却前にリフォームした方がよいケース

では、どのような住宅ならリフォームを検討する価値があるのでしょうか。

少額の工事で印象が大きく変わる

最も費用対効果が高くなりやすいのは、

少ない費用で見た目を大きく改善できるケース

です。

例えば、

・汚れたクロスの一部張り替え
・破れた障子の交換
・壊れたドアノブの交換
・照明器具の交換
・水栓の修理
・網戸の張り替え

などです。

数百万円の大規模工事ではなく、購入希望者が気になりやすい部分だけを整える方法です。

明らかな故障箇所がある

例えば、

「トイレの水が流れない」

「給湯器が動かない」

「ドアが閉まらない」

など、生活するうえで明らかに支障がある設備は、修理を検討する価値があります。

購入者に、

「この家はあちこち壊れているのでは?」

という不安を与えてしまうからです。

比較的新しい住宅

築5年、築10年程度など比較的新しい住宅では、購入者が、

「できればそのまま住みたい」

と考える割合も高くなります。

このような物件では、一部分だけ目立つ傷や汚れがあると、かえって気になる場合があります。

軽微な補修やクリーニングで住宅全体の印象を整えることには一定の意味があります。

周辺にリフォーム済み物件が多い

中古マンションなどでは、同じマンション内や周辺エリアにリフォーム済み物件が複数販売されていることがあります。

購入者はインターネット上で物件写真を並べて比較します。

同じような価格なら、

A:リフォーム済み・室内がきれい
B:壁紙が汚れていて設備も古い

という2物件では、Aに問い合わせが集まりやすくなる可能性があります。

この場合は販売中の競合物件を確認したうえで判断することが重要です。

売却前にリフォームしない方がよいケース

反対に、次のような物件では大規模リフォームを慎重に考える必要があります。

築年数がかなり古い戸建て

築30年、40年、50年と経過した戸建てでは、購入者が大規模リノベーションや建て替えを前提としている場合があります。

キッチンだけ新品にしても、

屋根
外壁
給排水管
断熱
耐震性

などに手を入れる必要があるなら、購入者から見れば中途半端なリフォームになることがあります。

買主がリノベーションを前提としているマンション

大阪市内では中古マンションを購入して、自分好みにリノベーションしたいという需要も考えられます。

そのような層に向けて販売するなら、売主側で内装を決めてしまわない方がよい場合があります。

立地や土地価値が中心の戸建て

土地として評価される可能性が高い戸建てでは、建物への大規模投資は慎重に考えるべきです。

買主が購入後に解体するなら、売主が行ったリフォームはほぼ価値につながりません。

売却価格とリフォーム費用の差が小さい

例えば査定で、

現状:2,500万円
リフォーム後想定:2,700万円
工事費:300万円

なら、数字だけを見る限りリフォームするメリットは小さくなります。

もちろん販売期間なども考慮する必要がありますが、少なくとも

「200万円高く売れるから得」

とは言えません。

300万円支払って200万円価格が上がるなら、単純計算では100万円分手取りが減るからです。

リフォームより先に検討したい「ハウスクリーニング」

売却前に何か手を入れるのであれば、大規模リフォームより先に検討したいのがハウスクリーニングです。

住宅は設備が古くても、

清潔感があるだけで印象が大きく変わります。

特にチェックされやすいのが、

・キッチン
・浴室
・洗面所
・トイレ
・玄関
・窓ガラス

です。

水回りは特に印象を左右する

購入者は内覧時に水回りをよく確認します。

キッチンの油汚れ、浴室のカビ、洗面台の水垢などが目立つと、

「かなり古い家だな」

という印象につながります。

しかし、設備自体が古くてもきれいに清掃されていれば、

「設備は交換すればいい」

と冷静に判断してもらいやすくなります。

数百万円の設備交換をする前に、まず清掃でどこまで印象が変わるかを見ることは非常に重要です。

スタッフ植松

私は、売却前なら「新品にすること」より「清潔に見せること」を優先した方がよいケースが多いと考えています。数百万円のリフォームより、まず掃除・整理整頓を徹底する方が費用対効果を期待できることがあります。

売却前に効果が期待できる7つの低コスト対策

大規模リフォームをしなくても、住宅の印象を良くする方法はあります。

1.室内の荷物を減らす

部屋に物が多いと、実際より狭く見えます。

特にLDK、玄関、廊下はできるだけ物を減らした方が空間を広く感じてもらいやすくなります。

2.カーテンを開けて明るくする

内覧時は可能な限り室内を明るくします。

昼間でも照明を付けるだけで印象は変わります。

3.玄関をきれいにする

購入者が最初に見る室内空間が玄関です。

靴を片付け、床を清掃し、不要な傘などを減らしておきましょう。

4.臭い対策をする

長年住んでいると、自分では生活臭に気づきにくくなります。

ペット、タバコ、料理、湿気などの臭いは内覧時の印象を大きく左右する可能性があります。

換気や清掃を意識しましょう。

5.庭やバルコニーを整理する

戸建てなら雑草や庭木、マンションならバルコニーの不要品を整理しておきます。

住宅だけでなく外部空間も購入対象です。

6.切れた電球を交換する

非常に小さなことですが、照明が切れているだけで住宅が暗く古く見えます。

数百円~数千円で改善できるため、内覧前に確認しておきたいポイントです。

7.明らかな小さな故障だけ修理する

ドアノブが外れている、網戸が破れているなど、少額で直せる部分は修理を検討してもよいでしょう。

重要なのは、

費用をかけすぎないこと

です。

キッチンや浴室は交換してから売るべき?

売却前リフォームで特に悩むのが水回りです。

設備価格が高いため、判断を間違えると手取り額への影響も大きくなります。

キッチン

キッチンは住宅設備のなかでも購入者の関心が高い場所です。

しかし新品へ交換すると、商品代と工事費を含めてまとまった費用になります。

さらにキッチンは、


扉材
天板
食洗機
IH・ガス
収納方法

など好みが分かれます。

そのため故障していないのであれば、清掃を行って現状のまま販売し、購入者に交換を任せる方法もあります。

浴室

浴室もリフォーム費用が高くなりやすい設備です。

古いユニットバスだからという理由だけで交換する必要はありません。

ただし、

・使用できない
・ひどい漏水がある
・カビや汚れが極端にひどい

などの場合には対応を検討します。

トイレ・洗面台

キッチンや浴室と比較すると、トイレや洗面台は比較的小規模な工事で交換できるケースがあります。

物件全体の状態と費用を比較しながら判断するとよいでしょう。

壁紙は張り替えてから売った方がいい?

壁紙は比較的、売却前のリフォーム候補になりやすい箇所です。

なぜなら室内で占める面積が大きく、交換すると印象が大きく変わるからです。

張り替えを検討してもよいケース

・大きく破れている
・落書きがある
・タバコによる変色が目立つ
・一部だけ極端に汚れている

といったケースです。

全面張り替えが必要とは限らない

売却目的なら、必ずしも全室を新品にする必要はありません。

購入者が購入後に好みのクロスへ張り替える可能性もあります。

まずは清掃し、それでも目立つ部分について対応するという順番がおすすめです。

フローリングの傷は修理するべき?

長年生活していれば、床に多少の傷が付くのは自然です。

細かな生活傷まで全部直そうとすると費用が大きくなります。

特に購入者がリフォーム前提の場合、それほど大きな問題にならないことがあります。

一方で、

床が大きく沈む
腐食している
著しい剥がれがある

といった場合には、単なる見た目の問題ではない可能性があります。

その場合は原因を確認することが重要です。

リフォームより「インスペクション」が役立つ場合もある

築年数が経過した住宅では、

「きれいに見せる」

だけではなく、

「建物の状態を確認する」

という方法もあります。

そのひとつが建物状況調査(インスペクション)です。

専門家が建物の基礎や外壁などを確認し、劣化や不具合の状況を把握するための調査です。

中古住宅を購入する人にとって、

「見えない部分は大丈夫なのか」

という不安は大きなものです。

例えばクロスを新品にすることより、

「建物の状態を確認できている」

ことの方が安心材料になるケースがあります。

インスペクションをすれば家の品質が保証されるわけではない

注意したいのは、インスペクションは建物のすべてを保証する制度ではないということです。

調査範囲や方法があります。

そのため、

「インスペクション済み=今後絶対に不具合が起きない」

という意味ではありません。

目的を理解したうえで利用を検討しましょう。

売却前に不具合を隠すのは避ける

家をできるだけ高く売りたいからといって、把握している不具合を隠して販売するのは避けるべきです。

例えば、

・雨漏り
・シロアリ被害
・給排水設備の故障
・建物の傾き
・過去の漏水

など、売主が把握している重要な事項については適切に整理して売却を進めることが重要です。

「リフォームすれば見えなくなるから問題ない」

と考えるのは危険です。

表面をきれいにすることと、不具合そのものを解消することは別だからです。

マンションを売る前のリフォームで注意したいこと

マンションでは、戸建てとは違うポイントもあります。

マンションは室内の比較をされやすい

同じマンション内で複数の部屋が売りに出ている場合、

・専有面積
・階数
・向き
・間取り
・室内状態
・価格

を簡単に比較されます。

同じ70㎡の部屋が、

A:3,980万円・リフォーム済み
B:3,780万円・現状

なら、購入者は200万円の価格差とリフォーム内容を比較します。

Bを購入して自分でリフォームする方が魅力的だと考える人もいるため、リフォーム済みが必ず有利になるとは限りません。

管理状態は売主だけでは変えられない

マンションでは、室内だけでなく、

・エントランス
・共用廊下
・エレベーター
・修繕状況
・管理状況

なども購入判断に影響します。

室内に500万円かけても、マンション全体の評価そのものを変えることはできません。

そのため専有部分だけに過剰投資しないことが重要です。

戸建てを売る前のリフォームで注意したいこと

戸建ての場合は、室内だけでなく建物全体の状態を見る必要があります。

外壁・屋根まで直すと費用が大きくなる

売却前に、

「外壁も塗装しよう」

「屋根も直そう」

「水回りも全部交換しよう」

となると、工事費が大きく膨らみます。

その費用を売却価格で回収できるか慎重に判断する必要があります。

建て替え需要があるならリフォームが無駄になることもある

土地価格の高い大阪市内などでは、築古戸建てを購入して建て替えたい買主が現れる可能性があります。

その場合、売却前に行ったリフォームはほぼ評価されません。

築古戸建てでは、

中古戸建てとして売る場合の価格

と、

古家付き土地として売る場合の価格

の両方を確認してから、大きな工事を決めることが大切です。

売却前リフォームで失敗しやすい4つのパターン

ここからは特に注意したい失敗例を紹介します。

1.査定前に数百万円かけてしまう

これが最も避けたいパターンです。

現在の住宅価値を知らないままリフォームしてしまうと、費用対効果を比較できません。

まず現状査定を受ける。

そのあと、

「この工事をしたら、どの程度売却条件が変わりそうか」

を考える。

この順番が重要です。

2.自分の好みで内装を決める

売主が好きなデザインと、購入者が好きなデザインは違います。

売却目的なら、個性的な内装より一般的に受け入れられやすい状態の方が無難です。

3.リフォーム費を全部売却価格に上乗せする

例えば、

現状相場3,000万円
リフォーム500万円

だから、

「3,500万円で売れるだろう」

とは限りません。

買主は周辺の中古住宅や新築住宅と比較します。

リフォーム費は売主の都合であり、市場価格がそのまま500万円上昇するわけではありません。

4.売れるまでの時間を考えていない

リフォーム工事が2か月かかれば、その間売却開始が遅れる可能性があります。

住宅ローン、固定資産税、マンションの管理費・修繕積立金などの維持費が続く場合には、売却までの時間もコストとして考える必要があります。

【吹き出し③:ここに設置】

リフォーム判断では「いくら高く売れるか」だけでなく、「工事費はいくらか」「売り出しが何か月遅れるか」「その間の維持費はいくらか」まで含めて考えるのがポイントです。

リフォーム費用は「売却価格」ではなく「手取り額」で判断する

売却前リフォームの判断で最も重要なのがこれです。

例えば次の2つを比較してみましょう。

そのまま売るリフォームして売る
売却価格3,000万円3,350万円
リフォーム費0円400万円
単純差引3,000万円2,950万円

リフォーム後の方が350万円高く売れています。

しかし400万円かかっているため、単純比較ではそのまま売った方が50万円多く残ります。

さらに、

工事中の住宅ローン
管理費
修繕積立金
固定資産税
光熱費

などが加われば差が広がる可能性があります。

逆に100万円のリフォームで300万円売却価格が上がるなら、検討する価値があるかもしれません。

だからこそ、

リフォームする前の査定価格

を把握しておくことが重要です。

大阪市・北摂ではエリアによってリフォーム戦略も変わる

大阪市内と、豊中市・吹田市・箕面市などの北摂エリアでは、購入者が住宅に求める条件が異なる場合があります。

例えば大阪市内の駅近マンションなら、

「自分好みにフルリノベーションしたい」

という購入者が検討する可能性があります。

一方、ファミリー層が多い住宅地では、

「購入後すぐ住めること」

を重視する人もいるでしょう。

同じ築20年・70㎡のマンションでも、

梅田へのアクセス
最寄り駅
学校区
周辺の新築価格
同一マンション内の販売状況

などによって売り方は変わります。

そのため、

「築20年ならリフォームする」

「築30年ならそのまま売る」

というように、築年数だけで決めることはできません。

売却前に見るべきなのは「今売りに出ている競合物件」

リフォームするか迷ったら、周辺で現在販売されている中古住宅を確認することも大切です。

例えば同じマンションで、

A:リフォーム済み4,200万円
B:現状3,800万円

が売り出されているとします。

自分の部屋も現状で3,800万円程度なら、

「400万円かけてリフォームして4,200万円を狙うべきか」

を比較できます。

しかし周辺のリフォーム済み物件が4,000万円でしか売れそうにないなら、400万円の投資は合理的ではないかもしれません。

リフォームは家そのものだけを見て決めるのではなく、

市場にいる競合物件との比較

で考える必要があります。

「古いから直す」ではなく「売れない原因だけ直す」

売却前リフォームについて、私が重要だと考えているのがこの考え方です。

家全体を新しくする必要はありません。

例えば問い合わせが少ない原因が価格なら、クロスを張り替えても解決しないでしょう。

内覧は入るのに成約しない。

そして毎回、

「浴室の状態が気になる」

と言われている。

このようなケースなら浴室への対応を検討する意味があります。

つまり、

家が古いから直すのではなく、売却を妨げている原因があるならそこだけ改善する

という考え方です。

この方が無駄な出費を抑えやすくなります。

すでにリフォーム済みなら「いつ・どこを直したか」を整理する

過去にリフォームした住宅を売却する場合は、その履歴を整理しておきましょう。

例えば、

2018年 キッチン交換
2019年 浴室交換
2021年 給湯器交換
2023年 外壁塗装

といった情報です。

工事請負契約書、保証書、設備の取扱説明書などが残っていれば保管しておきます。

購入者にとって、

「築25年」

という情報だけより、

「浴室は7年前に交換済み」

という情報があった方が住宅の状態を判断しやすくなります。

住宅の価値は築年数だけで決まるものではありません。

売却前にリフォームするか判断する7つのチェックポイント

リフォームするべきか迷ったら、次の順番で確認してみてください。

  1. 現状のままならいくらで売れそうか
  2. 周辺の競合物件はいくらで売り出されているか
  3. リフォーム費用はいくらか
  4. リフォーム後はいくらで売れそうか
  5. 工事にはどのくらい期間がかかるか
  6. 買主はリフォーム済み住宅を求めているか
  7. リフォーム費を差し引いても手取りが増えるか

この7項目を確認すると、判断しやすくなります。

特に重要なのは1と7です。

リフォーム前の価値を知らなければ、リフォームした結果得だったのか判断できません。

家を売るなら、リフォームより先に「現状の価値」を知る

家を売却するとき、

壁紙の汚れ。

古いキッチン。

傷の付いた床。

年数の経った浴室。

こうした部分が目に入ると、

「こんな状態では売れない」

と思ってしまうかもしれません。

しかし、売主が気にしている部分を買主も同じように気にするとは限りません。

購入後に全面リノベーションを考えている人なら、古い内装は大きな問題ではないでしょう。

土地を目的として戸建てを購入する人なら、キッチンを新品にしても評価されない可能性があります。

一方、少し清掃し、荷物を減らし、壊れた箇所だけ直せば十分売却できる住宅もあります。

だから私は、

「家を売る=最初にリフォーム」ではなく、「まず現状でどのように売れるのかを確認する」

という順番が重要だと考えています。

リフォームは一度実施すれば、お金を元に戻すことはできません。

500万円かけたからといって、売却価格が500万円高くなる保証もありません。

それならまず、

現状ならいくらで売れるのか。

そのままでも購入者が見つかりそうか。

周辺ではどんな中古住宅が売れているのか。

どこを直せば売却条件が改善しそうか。

を整理する。

そのうえで、

何もしない。

ハウスクリーニングだけする。

部分的に補修する。

一定範囲をリフォームする。

という選択肢を比較する方が合理的です。

大阪市内のマンション・戸建てでも、豊中市・吹田市・箕面市など北摂の住宅でも、築年数だけで「リフォーム必須」と決める必要はありません。

売却前リフォームで目指すべきなのは、

一番きれいな家をつくることではなく、一番手取りを残せる売り方を選ぶこと。

ここを基準に考えると、「そのまま売る」と「直して売る」のどちらが自分の住宅に向いているのか判断しやすくなります。

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この記事を書いた不動産のプロを紹介

大阪市北区を中心とした不動産売却・買取に特化した、業界歴の長いベテラン精鋭チームです。年間1,100件以上のご相談実績と、独自の富裕層・投資家ネットワークを活かし、お客様の大切な資産の「高値売却」と「スピード現金化」を実現しています。
このコラムでは、現場で培ったリアルな相場動向や、不動産会社だからこそ知っている「損をしない売却のコツ」「リースバックの裏側」など、お役立ち情報を分かりやすく発信していきます。

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